顔を合わせて話せない

「担当したもらった歯医者さんの顔を知らない」という方がいました。診察台が倒され、歯科医がマスクのまま登場し、そのまま顔を見て会話する事もほとんどないままだったとの事。恐らく、「いや、それはNG!」というのが歯科医師たちの共通意見でしょう。確かに診療台の性格上、歯科医師と患者さんが向き合って話す事自体は少ないかもしれません。しかし、治療の最小に「痛みは無いですか」であったり「体調などは大丈夫ですか」といった問診を行い、「今日はこのような治療をします」と説明をするのは当然といっても過言ではないでしょう。その上で治療を始めなければ患者さんは不安になってしまいます。2005年からは客観的臨床能力試験というものが本格的に導入されているので、歯科医師のマナーも向上してきているといいます。歯科大学生は臨床実習に入る前に、この試験に合格しなければなりませんし、ここで診療の技能だけでなく態度やマナーも厳しく審査されるようになっているのです。さっとマスクを外し、患者さんに名札を示し丁寧に自己紹介をする。これから礼儀正しい歯科医師はどんどん増えていくのではないでしょうか。患者と歯科医師が向き合って話す場として、カウンセリングルームを設ける歯科医院も増えてきています。「初診の時や、必要な時にはカウンセリングルームで向かい合って今後の治療方針を話し合う」のです。初診時には問診表とX線の画像を見ながら具体的な治療内容を説明します。この時点で保険診療と自費診療の違いにも触れ、値段についても具体的に提示します。治療は開始される前に患者さんの疑問や不安をしっかり解消し、納得してもらう事がとても大切です。その上で治療方法を選択してもらう事によって、その後もよい関係が築けると思います。