治療が1度で終わらない

「なんで何回も通うの?いっぺんに治療して!」と不満を抱く方は少なくありませんでした。しかし、何日もかけて治療するのは、その必要性があるからです。エナメル質に留まるような小さな虫歯なら1回で終わるでしょう。でも多くの場合は、それ以上に虫歯が進行していたり、歯周病が進んでいる状態で漸く歯科医院へ駆け込む為、治療に時間がかかってしまうのです。特に時間を要するのは根管治療でしょう。歯の根に細い金属を差し込んで感染した神経を除去し、根管の形を整えるのですが、その根管は非常に細く、太い部分で1mm弱、先端に行けば0,1mm。曲がっていたり枝分かれしていたりする上、大臼歯ならば歯の根は3~4本。それも口の奥に位置する為見えにくく、手探りの作業になります。1本の根の治療に4~5回はかかる事もあるようです。奥歯の根管治療に10回も通わされたなら良心的な先生と出会ったと考えるべきかもしれません。根管治療とういのは、手間がかかるわりに治療費は安いのです。それでも丁寧に地味な治療を続ける、患者さんの歯の健康を第一に考えてくれているとも考えられますから。とはいえ、歯科医師自身も根管治療が必要となってしまう前に虫歯治療をしたいと思っています。何度も歯科医院へ通うのは嫌という事であれば、定期的に受診して早い段階で見つけてしまう方が良いでしょう。それならば1回の治療で終わる事もあるでしょう。